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イベントレポート
浜フィルEコンサート出演者へのインタビューVol.3
こんにちは。
今回のEコンサート出演者へのインタビューは第4回、第6回、第24回の公演に出演いただきましたチェリストの立川訓子さんです。
浜松フィルハーモニー(以下浜フィル):今までに3回夢汎ホールで開催致しましたEコンサートにご出演いただきましたが、ご感想をお聞かせください。
立川訓子(以下立川):これまでにピアノカルテット※1で1回、ピアノとチェロのデュオで2回出演させていただきましたが、HHSSを通した電子ピアノとの演奏は不思議な体験でした。
普段、生ピアノとしかまず弾かないようなクラシックの作品ばかりでしたので、イメージとの違いに驚きましたが、奥行きのあるサウンドに包まれながら気持ちよく演奏させていただきました。
また、素敵な夢汎ホールさんでのEコンサートはお客様との距離も近く、和やかな良い雰囲気でした。
浜フィル:HHSSを通した電子ピアノの音は通常の電子ピアノに比べて響きも増し、初めて聞かれた方は驚かれる方も多いですね。
浜フィル:皆さんにお聞きしているのですが、チェロを始めたきっかけをお聞かせ下さい。
立川:中学校の部活がきっかけです。
本当はヴァイオリン志望でしたがヴァイオリンは希望者殺到で、顧問の先生の勧めもありチェロを弾くことになりました。
いざチェロを試してみると、ヴァイオリンより自分の体に馴染む感じがして、しっくりきました。
高校に行ってもチェロを続けたいと思ったので、芸術科のある高校を目指すことにし、受験直前からレッスンに通いだしました。
浜フィル:高校卒業後はハンガリーでチェロを学ばれたとお聞きしていますが、ハンガリーでの音楽教育について感じたことなどはありますか?
立川:ハンガリーの音楽教育といえば「コダーイ・メソッド」※2ですね。
早期から民謡(わらべうた)を用いて音楽の基礎を学び、音楽だけではなく様々な能力を引き出し、音楽を通して豊かな人間を育てようというものです。
歌うこと・母国語を大切にしている点、移動ド※3によるソルミゼーション※4、またハンドサイン※5が特徴的です。
素晴らしい音楽家を生み出すだけではなく、素晴らしい聴衆も育ちます。
わらべうたなので自然と身に付きやすく、みんなで共有・共感できるようになる教育ですし、歌の持つ世界観や移動ド唱法による和声感が情緒を豊かにさせると感じました。
浜フィル:最後になりますが、今後Eコンサートで取り組みたいプログラムなどはありますか?
立川:電子ピアノの音色が選べるので、チェンバロ風な音を使ってバロックの作品に取り組んでみたいです。
※1ピアノカルテット(ピアノ四重奏)…ピアノ、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロによる四重奏。
※2コダーイ・メソッド…ハンガリーの作曲家兼民俗音楽学者コダーイ・ゾルタンによって提唱された音楽教育システム
※3移動ド…「ドレミファソラシド」を音名ではなく階名として考え、歌う方法。
※4ソルミゼーション…旋律を階名(ドレミ)で歌うこと。
※5ハンドサイン…手の動きで音の高さ、リズム、音楽の表情などを示して階名唱を効率よく導く方法。
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いつも精力的に音楽活動をされている立川訓子さん(チェリスト)へ
インタビューさせていただきました。立川訓子さんご協力ありがとうございます。
=プロフィール=
立川訓子 チェロ
静岡県立浜松江之島高等学校芸術科、ハンガリー国立リスト音楽院学士課程卒業。
これまでにチェロを沖佐知江、林良一、河野文昭、チュルガイ・イシュトヴァーン、オン
ツァイ・チャバの各氏に、室内楽をハルギタイ・ゲーザ、ボトヴァイ・カーロイの各氏に
師事。現在、アンサンブル・ムジーク弦楽合奏団団員、浜松フィルハーモニー管弦楽団登
録団員。新居町にてチェロ教室を主宰。