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イベントレポート
浜フィルEコンサート出演者へのインタビューVol.12
こんにちは。
今回のEコンサート出演者へのインタビューは、第22回、第33回の公演に出演いただきましたソプラノ歌手の木下綾子さんです。
浜松フィルハーモニー管弦楽団(以下浜フィル):今までに夢汎ホールで開催致しましたEコンサートに2回ご出演いただきましたが、ご感想をお聞かせください。
木下綾子(以下木下):夢汎ホールは大好きなホールです!お客様との距離がとても近いので演奏している時にお客様の反応をダイレクトに感じられます。
ステージには普段あるピアノはなく、電子ピアノにスピーカー!一体どんな感じになるのかと不安でしたが、実際スピーカーの前に立ってみると音が全身に響き包まれているようで、歌っていて心地よく、とても不思議な感覚でした。
スタッフの方やお客様がとても暖かく、アットホームな感じで楽しく演奏させて頂きました。ありがとうございます。
浜フィル:舞台と客席も近いので、オペラのストーリーや歌詞を聞いたお客様も笑いながら聴き入っていましたね。それでは木下さんが声楽を始めたきっかけを教えていただけますか?
木下:小学校4年生の時にジュニアクワイア浜松に入団し、歌う事が大好きになったのがきっかけです。様々な作品や文化に触れ、歌っていくうちにもっと歌いたい!もっと知りたい!上手くなりたい!と思うようになり、その後音楽科のある高校に入学、本格的に声楽を勉強し始めました。
浜フィル:浜フィルEコンサートでは、1回目はソプラノとメゾソプラノのデュエットでオペラの重唱を中心としたプログラム。2回目はドイツリート※、イタリア歌曲のプログラムで出演いただきましたが、オペラとリートで歌い方、表現の仕方の違いなどありますか?
木下:オペラは、音楽(歌・オーケストラ)、演劇、衣装、舞台美術、全てが組み合わさった総合舞台芸術。歌い手は役になりきり演じます。時代によっては歌い手の歌唱力を求められるものもあります。見どころは何といっても共演者との掛け合いやアンサンブル!
演出家、指揮者、共演者など、多くの方たちと作品を作り上げるのがオペラだと思います。
リートは歌曲と言って、基本は一人の歌い手(二人の場合もある)とピアニストが作り出す音の世界。言葉と音の結びつきが強いのも特徴です。言葉や詩を朗読した時の響きの美しさが失われない様に歌う事が大切ですし、詩に対する深い理解力や分析力も必要だと思っています。
勿論、オペラもリートも歌なのでどちらも言葉を大切に演奏します。
オペラは視覚的情報も多いですが、歌曲はそれがないのでどんなイメージを与えられるかは歌い手次第。逆に聴き手も自由にイメージする事ができるところが、リートの醍醐味だと思います。
浜フィル:最後に、今後Eコンサートで取り組みたいプログラムなどはありますか?
木下:今まで、リート作品はそれぞれの作曲家から一曲ずつ歌わせていただきましたが、
1人の作曲家に絞り、時代、作曲家や作品の背景が歌曲集を通して感じて頂けるようなコンサートが出来たらと思っています。
また、音色を変えられる電子ピアノの特徴を生かして色々な曲にチャレンジしていきたいです。
※ドイツリート…ドイツ語の芸術歌曲。詩とピアノ伴奏が一体となって、深い情感を表現する。1814年F.シューベルト作曲の『糸を紡ぐグレートヒェン』D118を以てドイツリートの誕生とされている。その後、ドイツ独自の重要な声楽の分野となった。
明るいお人柄と歌声で聴衆を元気にする木下綾子さん(ソプラノ)へ
インタビューさせていただきました。木下綾子さんご協力ありがとうございます。
=プロフィール=
木下綾子 ソプラノ
国立音楽大学音楽学部声楽科卒業。
静岡県同調会第32回新人演奏会、西部同調会第17回新人演奏会に出演。
オペラガラコンサート3、ハイライトコンサート「フィガロの結婚」バルバリーナ役、クリスマスコンサート「アマールと夜の訪問者」アマール役、第29回Uホールオペラガラコンサート、ベルカントオペラレクチャーコンサート、オペレッタ「こうもり」イーダ役、コミックオペラ「ミカド」、オペラセミナー オペラ「椿姫」ハイライトコンサート、シティオペラ協会音楽は微笑むllV、浜フィルEコンサート、珈楽庵コンサート等に出演。
これまでに声楽を吉田眞喜子、古川礼子、田中淑惠の各氏に師事。
浜松市内を中心に演奏、演奏会司会等活動を行う。浜松シティオペラ協会会員。