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イベントレポート

浜フィルEコンサート出演者へのインタビューVol.10

20200511

こんにちは。
今回のEコンサート出演者へのインタビューは試聴会、第1回、第2回、第5回、第9回、第11回、第14回、第15回、第16回の公演に出演いただきましたピアニストの伊藤絢さんです。

浜松フィルハーモニー管弦楽団(以下浜フィル):今までに夢汎ホールで開催致しましたEコンサートに9回ご出演いただきましたが、ご感想をお聞かせください。
伊藤絢(以下伊藤):電子ピアノは今までも弾く機会が多かったのですが、HHSSのオーディオに繋いで弾くのは勿論初めてでした。スピーカーに囲まれての演奏は、最初は不思議に感じましたが徐々に慣れ、音に包まれているような気分になりました。 オーディオに繋いでいるので、ホールでの自分の出す音と楽器とのバランス、又、ピアノ以外の音色の時の聞こえ方の調整が難しかったです。スタッフの方にはいつも細かく音の調整を手伝って頂き、少しの事で、こんなに音の響きがかわるのか、と毎回驚いていました。 電子ピアノは色々な楽器の音を出せるので、お客様にも楽しんで頂けるのではないかと思います。

浜フィル:皆さんにお聞きしている質問ですが、ピアノを始めたきっかけを教えて下さい。
伊藤:家に楽器があったので遊びながらさわり始めたのがきっかけだったと思います。 幼少期は専らピアノの上で遊び、練習は嫌でピアノの蓋を噛んでいたので、こんなに長く続けるとは周りも思っていなかったようです。
音楽の道に進もうと決めたのは高校の時ですが、前からアンサンブルに興味があり大学在学中に伴奏や室内楽の方を勉強していきたいと強く思うようになりました。

浜フィル:9回という最多出演でいらっしゃいますが、フルート、ヴァイオリン、声楽と毎回違う楽器、奏者と共演されましたが、アンサンブルをしていて感じるそれぞれの楽器の個性などありますか?
伊藤:アンサンブルの面白さは同じ曲でも楽器や共演者によって全く違う色に変わる事でしょうか。アプローチの仕方や思いなど人それぞれなので、自分の中に沢山の引き出しが増えます。どの楽器も素敵で一言では言い表せませんが、ヴァイオリンは繊細な美しさ、フルートはダイレクトな息遣い、歌はやはり歌詞があり、その人の持つ声色が音楽を作り出すと思います。ピアノと違い音程も自分で作る楽器との合わせはとても奥が深く魅力的です。 Eコンサートでも様々な方と共演ができ、嬉しく思います。

浜フィル:最後になりますが、今後Eコンサートで取り組みたいプログラムなどはありますか。
伊藤:電子ピアノならではのエレクトリックピアノやシンセサイザー、ロックサウンドもクラシック曲に合わせて演奏もしてみたいです。 チェンバロの音でバッハやラモー※1、パーセル※2などの作品、リスト※3がピアノ用に編曲しているバッハのオルガン曲もあるのでパイプオルガンの音色で試してみたいです。 ラヴェル※4やプーランク※5などの曲もピアノ以外の音で弾いてみるのも面白いかも知れません。 他のコンサートでは聞けない音の空間を生みだしていければ、と思います。

※1J.Ph.ラモー(1683-1764)…18世紀前半に活躍したフランスの作曲家で、多くの歌劇を作曲した。また音楽理論家としても活躍し、近代和声の基礎を確立した。
※2H.パーセル(1659-1695)…17世紀後半に活躍したイギリスの作曲家。イタリア、フランス音楽の影響を受けながらも独自の音楽を生み出した。
※3F.リスト(1811-1886)…オーストリア支配下のハンガリーで生まれ。ピアノの魔術師と呼ばれ、超絶技巧を持ち、どんな曲でも初見で演奏出来たと言われる。ピアノだけでなくオーケストラ作品では交響詩という分野を切り開いた。
※4M.ラヴェル(1875-1937)…近代フランスを代表する作曲家。古典派的な構成と卓越した管弦楽の手法で洗練されたフランス音楽の中にも哀愁が漂う。
※5F.プーランク(1899-1963)…フランス6人組と呼ばれる作曲家集団の一人。生粋のパリっ子で、作風は軽快で旋律に富んでいるため、エスプリの作曲家とも称された。

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様々な演奏家と多数共演されている伊藤絢さん(ピアニスト)へ
インタビューさせていただきました。伊藤絢さんご協力ありがとうございます。

=プロフィール=
伊藤 絢  ピアノ

西遠女子学園高校卒業。桐朋学園大学音楽学部演奏学科ピアノ専攻卒業。 ドイツザールランド州立音楽大学コンチェルトライフェ、ピアノ専攻卒業。 和田佐和子、故斎田四方、武藤公子、田中孝佳、玉置善己、 ロベルト・レオナルディ、ジャン・ミコー各氏に師事。 ウィーン、ニース、イタリアの夏期セミナーに参加。修了コンサートに出演。 袋井市月見の里 室内楽アカデミーに参加。 豊橋創造大学短期大学部非常勤助手、常葉短期大学保育科非常勤講師を経て現在ヤマハピアノ講師。室内楽、合唱団伴奏など演奏活動と共に、後進の指導にも携わっている。