新着情報
イベントレポート
浜フィルEコンサート出演者へのインタビューVol.1
こんにちは。
新型コロナウイルスの感染拡大防止の為、浜フィルでは定期公演、Eコンサートを中止しております。
そこで、今日から今までに夢汎ホールで開催しておりましたEコンサートに複数回出演いただいた方々にインタビューをお願いしました!
本日より、随時掲載していきたいと思います。
第1回目は第1回、第8回、第18回、第31回、第36回の公演に出演いただいたフルーティストの鈴木健二郎さんです。
浜松フィルハーモニー(以下浜フィル):今までに5回夢汎ホールで開催致しましたEコンサートにご出演いただきましたが、ご感想をお聞かせください。
鈴木健二郎(以下鈴木):毎回出演させていただく度に、新たな発見があるEコンサートだと思っています。
初めて出演させていただいた時には、今までに演奏したことのない形態だったので少し不安もありましたが、電子ピアノから出せるピアノの音色の選択肢や他の楽器の音色も出せるということに驚き、それを活かしたいと思うようになりました。
ホールに満ちた音の中で演奏をさせていただくのはとても楽しく刺激が多いです。
浜フィル:皆さんにもお聞きしていこうと思っているのですが、フルートという楽器を選んだきっかけを教えていただけますか。
鈴木:フルートとは小学校4年生の時、部活動で出会いました。
もともとはアコーディオンを希望して入った部活でしたが、体がとても小さくアコーディオンを弾くのは難しいだろうと顧問の先生に言われ、フルートを提案されたのがきっかけでした。
浜フィル:フルートというと吹奏楽でも一番人気の争奪戦の楽器ですが、体格で選ばれることもあるのですね!
浜フィル:鈴木健二郎さんはフランスで長くフルートの勉強をされていたとのことですが、フランスで印象に残っている出来事は何かありますか?
鈴木:フランスで印象に残っている出来事と言えば、留学して2週間程のまだ間もない時に目の前で警官と逃走犯の銃撃戦に出くわす、というものです。右も左も分からない当時の自分としてはとても衝撃的な出来事でした。
・・・と、これは音楽には関係のない話でしたね。
ドビュッシーやラヴェル、メシアン※1などのフランスを代表する作曲家達と直接話したり・レッスンを受けたりしたことがあるという先生方からの当時のお話は、フランス音楽をより身近に感じることができ、そして、伝統が受け継がれているというのを体感できた出来事でした。
浜フィル:それでは最後に、今後Eコンサートで取り組みたいプログラムはありますか?
鈴木:Eコンサートで使用する電子ピアノは音と音とを混ぜる機能があり、それを使ってより幅広い音を出すことができます。
コンチェルト※2のようなオーケストラとの曲、パイプオルガンの音を使った教会で演奏されるような曲など、様々な編成の様々な時代の曲を演奏できたらなと思っています。
※1クロード・ドビュッシー(1862-1918)…フランスの作曲家。様々な音階や旋法と、自由な和声法を用い作曲し、伝統から外れた和声の用い方から19世紀後半から20世紀初めにかけて最も影響力を持った作曲家のひとり。
モーリス・ラヴェル(1875-1937)…ドビュッシーと並び近代フランスを代表する作曲家。ドビュッシーに比べると古典派的な構成で、管弦楽の手法は卓越している。洗練されたフランス音楽の特徴の中にも哀愁が漂い、独特の世界が感じられる。
オリヴィエ・メシアン(1908-1992)…20世紀ヨーロッパの現代音楽界を牽引したフランスの作曲家。また多くの著名な子弟を育てた音楽教師として知られる。オルガニスト、ピアニストとしても演奏活動を続け、録音も数多く残している。
※2コンチェルト(協奏曲)…独奏楽器とオーケストラ伴奏による作品
フランスのエスプリが漂う鈴木健二郎さん(フルーティスト)へ
インタビューさせていただきました。鈴木健二郎さんご協力ありがとうございます。
=プロフィール=
鈴木健二郎 フルート
浜松学芸高等学校音楽科を卒業後、渡仏。パリ12区立ポールデュカ音楽院、パリ・エコール・ノルマル音楽院、ベルサイユ音楽院にてフルート科、室内楽科を修了。
ベルサイユ市主催の記念式典や演奏会、室内楽でフランスやドイツでの演奏会等に出演。また現代音楽を中心とした演奏会にも多数出演し、室内楽作品の初演にも参加。
国内外での講習会に参加し、これまでに、ローム・ミュージック・ファンデーションを始め、浜松国際管楽器アカデミー、フランスニース音楽アカデミー等を受講。
第21回静岡県学生音楽コンクール管楽部門中学生の部第1位。第24回静岡県学生音楽コンクール管楽部門高校生の部第1位、静岡県演奏家協会長賞受賞。第56回全日本学生音楽コンクール東京大会フルート部門高校の部入選。第8回日本フルートコンクールびわ湖高校生部門入選。2006年UFAM音楽コンクール フルート部門スペリオール部門1等賞。第12回若きフルーティストのためのコンクール スペリオール部門第1位。2011年クレドールコンクール フルート部門1等賞。同年、レオポルドべランコンクール フルート部門1等賞。
フルートを宮司裕、田中貫一、岩佐和弘、工藤重典、工藤雅子、カトリーヌ・カンタン、トーマ・プレヴォー、ジャン・ミシェル・ヴァラッシュの各氏に師事。また室内楽をカトリーヌ・カンタン、ニーナ・パタルセック、デヴィ・エルリ、ジャン・フランソワ・ゴンザレスの各氏に師事。
現在、市内の教育機関や施設、ホテルなど、浜松市を中心に演奏活動を行っている。